ピエロがお前を嘲笑う

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STAFF

Director's Interview

バラン・ボー・オダー

1978年生まれ。2010年のロンドンを舞台に撮った『23年の沈黙』<未>で長編監督デビュー。映画祭で高い評価を受け、世界20カ国以上で上映され、11年にはヴァラエティ誌の「注目すべき10人の監督」に選出。本作は2本目の長編作品である。

2014年 トロント国際映画祭2014年 チューリッヒ映画祭2015年 ニューポートビーチ映画祭(USA)2015年 ジュピター・アワード  最優秀ドイツ人男優賞(エリアス・ムバレク)ノミネート2015年 ドイツ映画賞  作品賞/脚本賞/編集賞/撮影賞/美術賞/音響賞ノミネート2015年 バイエルン映画賞  監督賞受賞

この映画は単なるハッキングを描いた映画ではない。アイデンティティーの追求を描いた映画であり、スーパーヒーローの物語だ。

我々はハッカーの世界を描くにあたって、最初から型にはまらない、新しい、そして何よりも映画的なアプローチの必要性を感じていた。私が重要視したのは、コンピューターを使うニキビ面のハッカーというステレオタイプのイメージを打ち壊すことであり、あまり知られていないハッキングの刺激的な部分を掘り下げることだった。というのも本来、ハッキングというのは、強盗と何ら変わらない行為だ。一般的な認識では、ネットワークへの侵入は、物理的な行為ではなく、コンピューターを操作するものだと思われていれるが、現実的にはそうではない。ハッキングは、リアルな世界とヴァーチャルな世界の両方が絡み合う複雑な行為だ。有名なハッキングの多くは、常に技術的な専門知識とソーシャル・エンジニアリングという組み合わせだ。またソーシャル・エンジニアリングというのは、社会のシステムの操作に他ならず、これはソーシャル・ハッキングとも言える。巧妙な手口でデータやパスワードにアクセスする行為だ。私はこのアプローチが気に入った。なぜならハッカーの行為を見せることができ、ハッキングそのものの行為を物理的に見せることができるからだ。
ハッカーのことをリサーチし始めると、私はハッカーやインターネット活動家たちが日常的に行っている行為やトリック、また彼らが使っている“lulz”(=笑いに相当する表記)などの表現方法に完全に引きつけられた。我々は毎日、コンピューターに向かって時間を過ごして、ネットを検索しているのに、その時に何が起きているかまったく気づいていないんだ。
インターネットの世界は、ヴァーチャルなアンダーグラウンド(地下社会)だ。コンピューター・ユーザーのほとんどは、その世界で何が起こっているか、誰が支配しているのか、どんな法律が適用されているかなど知るよしもない。また“サイバー・マフィア”の存在を知る人は、ほとんどいない。そこでは、誰の情報でも、またどんなものでもハッキングが可能であり、最大のセキュリティーの脆弱性は、コンピューターやソフトの問題ではなく、人間の使い方に問題があるんだ。
ハッカーの世界を描いた現代的な映画を作るというチャレンジに加えて、私は特にストーリーのドラマティックな構成作りに興味を覚えた。そもそも、この映画は若くて、才能豊かだが、自らの本当のアイデンティティーを探し求める孤独な男を描いたスーパーヒーローの物語だ。クレイは、絶望的なまでに人生で迷子になっていたベンヤミンが求めるものをすべて与えてくれる。そしてあらゆるスーパーヒーローと同じように、ベンヤミンは、ヒーローの衣装を身にまとっていない時でさえ、スキルを自分が持っていることに次第に気づいていく。
ドラマティックで、かつ見た目にも刺激的な世界を作り上げることが僕には重要だった。内容に加え、見応え十分のベンヤミンの成長物語は、観客を振り回すジェットコースターのようなドラマだ。そしてベルリンは、この物語に最適な舞台だった。事実、ドイツの首都であるベルリンは、ヨーロッパのハッカーの世界では、中心地の1つだからね。でも僕は旅行者に知られていないベルリンの姿を見せたかったんだ。ベルリンは活気に満ちているが、問題を抱えた不可解な国際都都市で、世界への入り口なわけだ。インターネット世代の息吹を表現できる場所は、この街をおいて他にはなかったよ。

  • 楽曲提供:ボーイズノイズ
    ドイツ・ハンブルク出身。アレックス・リダによるエレクトロ・ユニット。07年にデビューアルバム「Oi Oi Oi」を発表、テクノ~ロック方面まで幅広いリスナー層の支持を得て自らのスタイルを確立。また、多くの楽曲リミックスを手掛けるリミキサーとしても活躍。攻撃的エレクトロ・サウンドを鳴らすDJとして世界的に人気を博し、数々の音楽フェスやイベントに参加している。本作に提供している楽曲は「XTC (The Chemical Brothers Remix)」と「ALARM」の2曲で、「ALARM」は本作のために書き下ろしている。「ALARMは、映画のためだけに作った最初の曲。これをきっかけにいつかは映画のサウンドデザインをフルでやってみたい」とコメントしている。
  • 楽曲提供:ロイヤル・ブラッド
    イギリス・ブライトン出身。ドラム&ベース(マイク・カーとベン・サッチャー)という変則編成の2人組。「Out Of The Black」を楽曲提供し、本作のタイトルソングとなっているこの曲は、13年にデビューシングルとして発売され英ロック・チャートで1位を獲得している。その後「Sound of 2014」(BBC)に選出され、さらに14年に発売されたデビュー・アルバム「Royal Blood」が初登場で全英1位を獲得している。

映画『ピエロがお前を嘲笑う』

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